第1章 第一章 一部
「返事は!?」
ドスを利かせた声が、木や草が生い茂った静かな森に良く響く。
「…………」
一呼吸置いて何度も頷く女の濡れた内股を見ていると、萎れた下半身が再び疼く。
俺はゴクリと喉を鳴らし、舐めまわすように女を見た。
先程の罪悪感は何処へやら、再びその女を鳴かせてみたいと心が奮い立つ。
「じゃあな」
けれどそんな事など許される筈もなく、八人もの人間が乗ったむさ苦しい車は女を置いて走り出した。
(結構かわいいかったな……)
移動する車の中、俺は女の事ばかり考えていた。わりと女の顔はタイプだったが、そんなことを言えるはずはない。
それに、もう彼女は汚れている。
(別の形で出会いたかった)
そう思いながら、移動する車内から外を眺めていた。