第4章 第二章 一部
恭輔が死んでから、数週間の月日が経った。
あれ以来、何度か恭輔の両親が家に来て心当たり等を聞かれたが、俺は知らぬ存ぜぬの一点張り。
恭輔は文字通りの不良少年だったため、『たんなる家出だろう』と結論を出した警察は相手にしなかったらしい。
所詮、人の死なんてそんなもの。本気で気にかけてくれるのは、一握りの人間だけだ。
ヴヴヴ……ヴヴヴ……
夏休みも終わりに差し掛かった頃。真昼の明るいリビングで転寝(ごろね)していると、テーブルの上に置いてあった携帯電話が不意に震え始める。
半分寝かけていた俺はその音に驚き、慌てて身体を起こした。
携帯電話を手に取ると、
『新着メール一件』
の文字が待ち受け画面に表示されている。
SNS等の機能を使う事が主流になっている今時代、メールを送ってくるのはサイト位。だから、今回もサイトからのメールだろうと放っておいた。
しかし、放っておいたのが間違いだったのかもしれない。
それ以降来るわ来るわのメールの嵐で、常に震えている携帯電話に観念した俺は、とうとうメールを開いた。
送り主は全て同じで、知らないアドレスから。サイトではなかったが、サブアドを使 って送ってきているのは一目瞭然。
それに、内容も気味悪く、
『ウソツキ』
と、いう言葉が、永遠と表記されているだけだ。