第2章 第一章二部
このまま恭輔の遺体を雑木林まで運ぶなど、とてもじゃないが無理だ。
「あーあ、きったねえ姿になっちまってよお。お前さ、死んでも嫌がらせしてくるなんて、マジすげーわ」
俺は一度恭輔を放し、奴から少し離れた所に座り込む。
とりあえず、休憩と一服。疲れたせいか、やけに煙草が不味い。
「なーにやってんだろ、俺」
俺は夜空を見上げながら小さく呟いた。
これじゃ、完全に犯罪者。やっていることは、凶悪な殺人犯と変わらない。
でも、悪いのは俺じゃない。俺はただ、親切に亡骸を埋めてやろうとしているだけ。だから、感謝されることはあっても恨まれる覚えはない。
「恭輔、化けて出てくんなよ」
ふと、奴が俺に襲いかかってきた時の事を思い出した。
そう言えば、恭輔は俺のせいだと何度も言っていたような気がする。
つまり、確実に恭輔は俺を恨んでいるということ。
「帰って、塩撒いとこ」
かと言って、死んだ奴に何ができるというのだ。
死んだら終わり、ただそれだけのこと。