第4章 働きもの
「うぉあー疲れたー…今日めっちゃお客さん多かったなー喉カラッカラ!」
『お疲れ様です。隼斗くんずっと話しっぱなしでしたもんね。』
ドアプレートを『closed』に返して、一日の業務を終える。彼の言うとおり、今日は平日の割にやけに人が多かった。
ゆえに、私を含めた従業員は皆、休む間もなくお客様の対応に追われていた。
「僕のとこのお客様は、来週彼氏さんとちょっと早めの クリスマスデートだってさ。いやー若いっていいね。」
「うわああああ…なんだよそれ!お客が多いのはそのせいかよ!てか、マサさん年寄りくさいっす!!」
マサさんのクリスマスという言葉に、周りの従業員は幾許かの反応を示す。
(…クリスマス、か。)
学生のときはそれなりにお付き合いしている男性もいたため、その人とクリスマスを過ごすこともあった。
だが、社会人になってからというもの仕事が楽しくて仕方がない私は、そっち方面での男性との付き合いは一切なくなった。
「マサさん!今年もやりましょうよ、クリスマス会!!」
「おっ!いいですねー僕もやりたいです!」
「私も参加したーい!今彼氏いないからクリスマスひとりなんですよー…」
隼斗くんの提案に、次々と他の従業員が乗っかっていく。というのもここ『aspiration』では、この数年、クリスマスの日はお店を早く切り上げて店内で身内だけのクリスマスパーティーを開いているのだ。
「僕は別に構わないよ。誰かが幹事を引き受けてくれるなら。」
マサさんの一言に、従業員は歓声をあげる。
「そこはやっぱり隼斗さんですよねー。」
「はっ?!なんで俺なんだよ!」
比較的若い従業員が多いこの店では、マサさん以外でまとめ役というと大方隼斗くんに視線が集まる。