第9章 希望(リヴァイside)
それから2日経った時、また幹部が呼ばれた。
「あれから色々考えたんだが、1つだけ方法を見つけた」
そう話を切り出したエルヴィンはとんでも無い事を話し出した。
「王との謁見をしようと思う」
「そんな事出来るのか?」
怪訝そうに言うリヴァイを見て少し微笑んだ。
「俺なら可能性は0%では無い。
ナイルに頼む事も考えたんだが、師団長がそんな危ない仕事をするとは思えない。
それならば俺が動くしかないだろう」
「もし会えなければどうするつもりだ」
「それに関しては心配無い。
中央は手強い相手だが、俺が団長である限り色々理由つけて会うことは可能かもしれない」
エルヴィンの言う通りだ。
王が謁見を許すとしたら兵団のトップしか道は無いだろう。
「だが中央に行った瞬間殺される可能性があるんじゃない?」
ハンジがそう言うと苦笑いしながら答えた。
「それは予測済みだ。
だが今会うのは早すぎる。
だから1ヶ月後ぐらいに謁見の承諾を得ようと思う」
「俺も一緒に行くのは無理なのか?」
「リヴァイは行かない方が良い。
結婚を許さなかった王に婚約者が会うと下手したら問題になるだろう。
そして謁見さえも拒否される可能性が高くなる」
リヴァイは眉間に皺を寄せて黙っていた。
「じゃあさ、護衛を連れて行くのはどうかな?」
「護衛か…
必要かもしれないね。
ミケ、頼めるかな?」
「勿論だ」
「有難う。
相手は戦闘能力が低い奴らだらけだ。
少々手強い相手でも俺とミケなら捻じ伏せる事が出来る」
そう言うとリヴァイは思った事を言った。
「謁見した所でエミを連れ戻せる可能はあるのか?」
「それは分からん。
だがやってみる価値はある。
もし今回失敗でもしたら憲兵によって捕まる可能性もあるけどな。
後は処刑されるかどっちかだ」
エルヴィンは苦笑いしながら答えた。
「エルヴィン、結構無茶な事を考えたな」
「これでも団長をしているんだよ?
エミはかなり優秀だ。
彼女が居るのと居ないのでは壁外調査にも影響が出てくる」
「次の壁外調査はいつだ?」
「まだ決めていない。
彼女を連れ戻す事ができるかどうかによって調査の時期を考えるつもりだ」
淡々と答えるエルヴィンを見てリヴァイは呆れ顔になった。
「よく平然と言えるな」