第1章 出会い
__昔から、満月の夜はお産が増えるという。
今日も例外では無く、小さな命がまた一つ、この世に生み出されていた。
母親は汗を流し、息を切らせながらけれどもしっかりとした手つきで小さな我が子を抱き上げ、愛おしく見つめる。
「生まれてくれて、ありがとう…、生きていくのは、大変かもしれないけど、必ず、いいことが起きるから…」
そんな母親の様子を見た4、5歳ほどの少年は
「お母さん!僕、絶対に守るから!大事な妹だもん!絶対に守るよ!!」
「…ふふっ、頼もしいわ、…そうね、この子の名前は、…_______」