第5章 悪魔の微笑み
「どうしたんだよ、お前等?」
西村が横目で教師をチラリと見ると、前田兄弟の方へ目を向けた。
「それが―――」
ドガッ―――
「かはッ――」
ドサぁ―――
突然倒れる前田修平(のぶへい)。
「ノブ――!!あんた――。」
ドカぁッ―――
上から叩き潰されるように殴られた前田恭平(きょうへい)。
血が辺りに飛び散り斑点模様を作っている。
"キャアァァァアア!!"
教室から悲鳴が上がった。
「なんだね……君は。」
震える教師。
「あ?秋本の身内。」
そう言ってドアから顔を見せたのは、口角を高くつり上げた高嶋だった。