第21章 感情
「電話しても出ないし、秋本先輩も来てないし…なんかあったのかな。」
休み時間。
学校で麻央達は携帯片手に話していた。
桜が休むことは時々あったし、珍しい事でもない。
けれど、連絡がつかないことが心配でたまらなかった。
大事な友達だから、心配するのは当たり前。
彼女達は純粋に桜を心配していた。
「どーせ家であの男と楽しんでんじゃねーの?」
盗み聞きしていた松崎が、不機嫌そうに呟いた。
「ちがいねぇ。」
山中が笑っている。
「バカ男子は黙ってて!!」
麻央が叫ぶ。
「うっせぇ、バカ女。」
「は?それはそっち!!」
「はぁ?お前は―――。」
また痴話喧嘩が始まった。
麻央と山中が言い合っている。
ハァと溜め息を吐く千加達。
いまだに松崎は機嫌が悪い。