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レッテル 2

第20章 債務者と書いてカモと読む


あぁ、うんざりする。
なにが楽しくて、バカな兄貴の部屋に入っているんだろうか。

もうずいぶんと持ち主が帰ってこない部屋は、時代に取り残されている気がする。
定期的に掃除はしていたが、時折出てきた雑誌やらエロ本がそう感じさせていた。

兄貴とはいい思い出がない。
あの無茶ブリが心底ついていけなかった。


上田さんが兄貴だったら良かったのに。


何度思ったことか。

シワひとつないベッドに腰かけると、携帯を取りだし翔に電話をかける。

"誠也ちゃん、どうしたん?"

3コール目で出てきた翔の声は、ノーテンキでますます腹が立つ。

お前のせいでとんでもねえことになってんだよ!!


そう叫んでやりたい。
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