第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ
「うわっ…きも。」
「趣味悪ッ。」
タイミング悪く聞こえてくる声。
振り向けば弟二人が顔をひきつらせている。
そして聞こえてくるババアの淫らな声。
映像のモザイクが虚しい。
「…お前らよく聞け。」
ダラダラと汗をたらしながら、低く唸る。
「幻滅した。」
「気持ちわりぃから今日から近寄らんで。」
距離を取ってベッドに座る二人。
汚いようなものを見るような目で俺を見ている。
ナンテコッタ。
これじゃ、にバレるのも時間の問題だ。
「いいよぉ、じいちゃん…凄くいいよぉ。」
「…ばあさん…ワシ…。」
「うるせぇッ!!」
レコーダーからDVDを取りだし、粉々にした。
それをゴミ箱へ捨てた。