第4章 二宮和也の場合。
「、ってば!」
「・・・あ、・・・ごめん、なんだっけ。」
「もぉ、聞いてなかったのかよ。」
「あ、うん、ちょっと考え事しちゃって。」
「旅行の話、ほら温泉行こうって。」
「あ、ああ、うん、そうだね!」
「・・・なんか、上の空?」
「え!いや、全然っ、そんなことない!」
「・・・もしかして緊張してる?」
緊張・・・?これは緊張なんだろうか。石川君の話が全く耳に入ってこない。
カズが部屋を出て行ったと同時くらいに、石川君が家に来た。すれ違うカズを見て、「全然似てないね。」と言われたので「そうかな?」と返した。私達が本当の姉弟ではないことは皆に知られていない。特に言わない理由はないけど、強いて言うならめんどくさいから。
「・・・俺も、してないって言ったら嘘になるけど・・・。まあ初めての家だし、我慢してるっていうか、」
「我慢?」
「・・・・・・、」