第3章 相葉雅紀の場合。
最低?誰が一番最低かだって聞かれたらそれは間違いなく私だと思う。
「相葉くん、」
私の声に俯いていた相葉くんが顔を上げる。
「いつも傍にいてくれてありがとう。」
あなたがいたから、私も、私の中の綾人も、ここにいる。
私は相葉くんに向けていた体を、綾人へ向けた。
「綾人、ずっとずっと好きだった。でもね、私気づいてたよ自分で。・・・でも怖かった。綾人がどう思うだろうって、怖かったんだ。」
でも今言わなきゃ、ちゃんと綾人にも。相葉君にも。
「綾人、私の中には相葉くんがいるよ。」