第3章 相葉雅紀の場合。
ふと気付いたことがある。私、そう言えば相葉くんと綾人のことしか話したことがない。いつも私と一緒にいてくれるけど、彼女とか、大丈夫なんだろうか。
相葉くんは私といる時、自分の恋愛話はしてこない。いつも私には聞いてくるのに。
「ねえ、相葉くん!」
「ん?あ、唐揚げ頼んでもい?」
「あ、う、うん。」
「やった~、唐揚げ~!あ、ちゃんってレモン搾るタイプ?搾られるタイプ?」
なんですか、その質問。
「搾るタイプ、かな?」
「あ、ほんと!?俺搾られるタイプ!相性抜群じゃんね!」
「うん、ところで相葉くん、」
「あ、そうそ、綾人はさ搾るタイプだったよね!そのあと自分の指なめてスッぺぇスッぺぇうるさいの!」
あひゃひゃひゃひゃ、とテンション高く笑う相葉くんに思わず笑ってしまった。
「ふふっ、相葉くん、どれだけ綾人のこと好きなの?」
口を開けば綾人綾人。2人の関係は凄く羨ましい、と言うとさっきまで笑っていたはずの相葉くんが、急に真面目な顔をして「違うよ」と言った。
「綾人を好きなのは、ちゃん、でしょ?」