第8章 続・空腹ガール(木手永四郎)
●続・空腹ガール(木手永四郎)●
『え…えいしろ…』
『何ですか、またお腹減ったんですか。』
は今日も死にそうな顔をしていた。
この顔をしている時、決まっては空腹状態だ。
だがしかし、今日は違った。
『体重が…増えた…』
『は?』
『さっき何気なく体重計に乗ったら…5キロも…』
『あれだけ食べて体重が増えない方がおかしいですよ。』
『でも…今までこんなに体重が増えたことは…』
『ダイエットでもしたらどうですか。』
はその大きな目を見開いた。
『ダイエット…私には永遠に関係のない単語かと…』
そう言うとは負のオーラを
放出しながらどこかへ去っていった。
…女子というものは少し体重が増えたくらいで
大騒ぎするものですね。
見た目なんてたいして変わっていないのに。
-----
『どうしたんですか、かなりひどい顔ですよ。』
あれから三日後、に会うとかなり
やつれていてまるでゾンビのようだった。
『だ…断食してるの…あれから何も食べてなくて…』
…驚いた、正直がダイエットなんて
到底出来ないと思っていた。
見た目を気にするなんてもやはり女性なんですね。
というか断食って…他にも方法はあったでしょう。
一番好きな食べることを我慢するなんて。
『なぜ断食なんですか…』
『運動したくない…』
『食べるの我慢するのもきついでしょう。』
『それが一番手っ取り早いから…』
今のの姿は誰が見ても100%異常だった。
元々細かった身体はますます細くなり、
足はガクガクで立っているのもやっとのようだった。
このままでは倒れてしまう、確実に。
そして案の定、は倒れた。
は体育の授業中に倒れたらしい。
そして保健室へ運ばれたらしいが、
俺が急いで駆けつけた時はは早退していた。