第9章 戦国絵巻/幸村精市 3/23更新
立海の国
天下統一まで、あと一歩
近いうちに最後の決戦を迎えるコトになるであろうと噂が城内を埋め尽くされている
それが噂では無く、近日中にも戦(いくさ)になる事を知っているの胸中は、穏やかではない。
出来る事なら、戦場(いくさば)には行って欲しくはない
しかし、最後の決戦となれば
大将である精市が行かないわけには
行かず
やりきれない思いを抱えて、の
心は、曇っていくのである
そんな彼女に精市が倒れたと連絡が入ったのは、つい先程
早足で精市の寝所に向かうと
そこには、青白い顔をして眠っている
精市の姿
「精市さま!!」
正室であるが来たのが分かると
彼女のために場所を開けるのは
老中であり、幼なじみの真田だ。
「どうして?」
精市の手を握りしめるの手は、震えが止まらない
「何者かに毒を盛られたようだ」
軍師である柳が、静かに答える
「こんな卑怯な事をするのは、ぜってー青学の国のヤツらに決まってるぜ!!この俺が潰してやんぜ!!安心してくれよ!!姉上!!」
瞳を真っ赤に充血させ声を張り上げるのは正室であるの弟である赤也
「めったなコトを言うもんじゃない!!」
真田に怒鳴られ、顔を膨らませ不満気に
視線をそらす赤也
そんな2人のやり取りさえの耳には入らず、ただ精市の容態だけが気になってしまう。