第8章 夢の世界へようこそ/仁王雅治&青峰大輝 3/22更新
ん………?
何か……誰かに抱きしめられてる感じがするんだけど……?
「早く……起きろよ……」
今回の夢の依頼者であるさんの耳に甘い声で、囁きが……
あっ、申し遅れました。
今回の夢のナビゲートをする事になりました
テツです。
えっ?
あのバスケ漫画の主人公の黒子テツヤかって?
違いますよ。
僕は、テツです。
ただの夢のナビゲート役のテツです。
僕は、影です。
気にしないでください。
ぼんやりとしているんでしょうね。
しきりに目をこするさん。
「退屈なんだよ……俺はさ……」
さんの身体をきゅっと抱きしめています。
あっ……やっぱり誰かに抱きしめられてるんだけど?
聞き覚えのある声に、ゆっくりと目を開けると、彼女の目の前には
目を細め、愛おしそうに笑う彼が……
「!?……!?……」
口を開き、自分の目の前にいる人物の名を呼ぼうとしてますけど、声にならず
「構ってくれよ……」
さんの髪をかきあげて、更に微笑みかけていきますね。
「……あ、あお……あおみね……くん?」
「あん?」
さんの言葉に、露骨に嫌な顔をする青峰くん。
「大輝……だろ」
甘く囁くと、見る見るうちに頬を染め上げていくさん。