第41章 一周年記念日/忍足謙也
「謙也、わかっとると思うけどな。優しくせんとアカンで?」
わーっとるで、白石。
ちゃんと優しく抱いたる!
「スピードにこだわったらいけんばい。イきそうになったら一旦、抜くとよか」
任せとき! 千歳。
つか、ナニ中にスピードにこだわったら
ただのアホやで
「謙也!! ずっこんばっこんやで!!」
金ちゃん、わかって言ってるんかいな?
ずっこんばっこんって……
「ちゃんとへたれて下さいよ? じゃないとおもろい画が撮れへんさかい」
ちょい待て!!
財前、何を撮ろうとしてんねん!!
「それから、コレな……」
「お、おん……」
白石がオレの手のひらに乗せてくれたんは
コンドーさんや
「付け方わかっとるか?」
「しっとるわいっ!!」
まったく、人をなんだと思ってんねん
コンドーさんの付け方くらいわかってるわい
(まあ、使ったことはあらへんけどな)
「なんや心配やな」
「そうたいね……覗きにいくばい」
「アホかっ!! 覗きにくんなや!!」
「謙也ぁー……それはフリかあ?」
「フリちゃうわっ! 金ちゃんは黙っといてや!」
まったく、どいつもこいつも
心配してくれるんは嬉しいけどな、勘弁してや……
実はオレ、忍足謙也は今日童貞を卒業することになったんや
付き合ってる彼女のと結ばれるん。
付き合い初めて1年
チュウはするで(ソフトチュウな)
でも、それ以上先には進んでへん。
付き合う前に二人で決めたんや
一年後も同じ気持ちでおったら結ばれようなって
んで、めでたく今日がその日ちゅうことや。
今からドキドキとしよるんやけど