第39章 満たして/跡部景吾
◇跡部side◇
「よ、よだれだもん!!」
「ほう……よだれねえ」
まったく面白いヤツだぜ
泣いているのを悟られたくなくて「よだれ」
とはな。
の突拍子もない発言にはいつも
楽しませてもらっているが……
あんまり可愛いコトを言うんじゃねーよ
オレだってガマンしてるんだぜ?
普段かまってやれない分、逢えた時くらい
甘えさせてやりたいと思っている。
それに少しでも傍にいたいと思って
オレのレベルに合わせて大学受験をするなんて可愛いすぎるしな
そのために一生懸命に努力しているにご褒美も兼ねて別荘にさそったんだが……
コイツの成績をみたら
……合格圏内とは程遠い。
オレは、心を鬼にして勉強をさせようとしたのに
泣かれちまった。
精一杯強がるを見ていたら
ガマンしていた欲望が、いともあっさりと切れちまいやがったぜ。
「……減ったのか?」
「ふっ……ん……」
つい、耳元で誘うように囁いちまう
「そうか……減ったから勉強ができねーのか?」
「ちょっ……やめっ……」
身をよじって逃げようとするの頭を手で固定し、耳元に唇を這わせる。
「……減ったんだろ?」
オレはとっくに不足だぜ