第38章 ピアノの調べ/榊太郎
私は自分勝手な気持ちで跡部くんに甘えているだけ
彼を忘れたくて、でも忘れられない。
心の寂しさと身体の寂しさを一時でも忘れたくて
跡部くんに身を任せてしまう
でも、いくら身体を重ねようとも
私の心は彼を求めてやまない
それでも跡部くんに抱かれると安心するのは
なぜ?
「(……
今は何も考えずにオレに身を任せていろ
時がくれば真実の想いに気付く筈だ。
お前にとって大切な人が誰なのか
それまで何度でもお前を抱いてやる)」
跡部くんの熱いモノに身体を突かれ、絶頂を迎えそうになった時
重たいまぶたを開けてみると、慈しむような眼差しで私を見つめている
そんなふうに見つめないで……
胸が締め付けられそうなくらいに苦しくなってしまうから。
その痛みがなんなのか……
今の私にはまだ、わからない
「……(愛している)」
優しく響く跡部くんの声を聞き、
慈しみを含んだ眼差しに見守られながら
私は、絶頂を迎える
*オマケに行ってよし!!*