第34章 神の子は男です/幸村精市
梅雨明けをして夏本番
外は蝉の声が五月蝿いくらいに鳴いていて
聞いているだけで夏を満喫出来そうだなっ
今年の夏は、彼女であるとどこに遊びに行こうかな?
海に行くのもいいし
軽井沢にある別荘に行くのもいいな
なーんてぼんやりと考えていたら
無言でオレを見詰めてくる視線
わざと無視をしようかと思ったんだけど
何か言いたそうな顔をしてるし
「何を考えてるんだい?」
軽く頭を小突き、顔を覗き込んで見ると
ん?
「熱でもあるのかい?」
「へ?」
「かお……まっかだよ?」
「違うよ……」
「じゃあ、どうして顔があかいのかな?」
撫でるように頬にふれると更に頬を染めあげる
本当は知ってるんだけどさ
は、こうやってオレがふれると照れて頬を染める
その反応が可愛いからつい、やっちゃうんだけどね
「オレがふれてる……からかな?」
「ち、違うよ!」
素直じゃないは、肯定をしない
そんなところもお気に入りだけどね
従順な女の子ってつまらないし
「じゃあ、どうしたの?」
「……精市って本当に男なの?」
「はあ? 何を言ってるんだい?」
突拍子もない事を言うな
どこからどう見ても男だと思うんだけどさ
笑いを噛み殺すのが大変だ
「だってさ……綺麗すぎるよね?」
「まあ、確かにオレは綺麗だけどさ。それと性別がどう関係あるのかな?」
「……想像つかないんだもん」
「想像?」