第31章 女の子の事情/忍足侑士 6/15更新
*侑士side*
「なんでや?」
「だ、だからねっ」
オレの右手をがっちり掴んでるんやけど
声は、しどろもどろ
「ちゃんと言うてみ?」
「えっと、あのっ(い、言えないよね?脇毛の処理してないなんて)」
困ってるんのが丸分かりやん
顔も真っ赤にして、可愛いなあ
つい、構いたくなるわ
「オレとヤルのいやか?」
「ちがーう!!」
これでもかっていうくらいに頭を左右に振ってアピールするなんて
ほんまに可愛いな
「じゃあ……なんでや?」
ウソをつかれんようにじーっとの瞳をめつめたる
「うっ……(そんな、じーっと見られたら困る)」
キョロキョロと視線を動かすなんてウソがつけへんタイプやな
そんな素直なところにも惚れたんやけど
「(な、何とかしなくっちゃ!!……
あ!そうだ!!!)侑士くん、トイレ!!トイレ行きたいよね?」
「はあ?」
なんや突拍子もない事を言いはじめよったな
「ねっ、トイレに行きたいよね?(侑士くんが部屋から居なくなってくれれば……
その間に処理できるじゃん。私って頭いい)」
「別に行きたくないで?」
「えっ? い、行きたいよね?(行ってくれないと困るよ)」
部屋から追い出したいんか?
なんでや?