第30章 負けず嫌い/跡部景吾 4/25更新
「侑ちゃん、もう帰ってもいいよ」
ニヤリと笑いたいのを必死で隠そうとしているようです
無駄に眉間にしわを作っていますね
「なんや……俺の出番はもう終わりかい」
「出番があるだけ感謝するんだな」
「景ちゃんも冷たいんやね」
ぶちぶちと文句を言っている忍足の背中を押しながら
「じゃあね!!バイバイ」
必要な情報をゲット出来たら忍足には用事が無いのでサッサと退場を願いたい
実に自己中心的な考え方
そんな性格を分かっている忍足は、口では
文句を言いながらも素直に部屋を出て行くようです
「(よしっ!! 景吾の弱点は、分かったわ。後は……私が上手くやれば……)」
景吾に分からないように密かに気合いを入れる
早速、裸になりベッドにダイブをすると
「景吾……私を愛して……」
両手を広げてアピール
それを見た景吾は、単純なんでしょうか?
素直に応じての上に跨がり
満足そうに
「ようやっとオレに愛される気になったか」
乱れた前髪を直しつつ、極上の笑み
「うん。景吾に弱点なんかないのが分かったから」
天使のように微笑むではあるが
心の中では
「(絶対に上手くヤってみせるから!!)」
ゆっくりとした動きで景吾の首に腕を絡め
目的のモノを自然な形で自身のくちびるへと誘うのである