第28章 可愛い彼女/仁王雅治 4/18更新
「おかえりー」
玄関を開けると、リビングからパタパタと足音をたてながら彼女であるが、俺に抱きついてくる
「ただいま」
ただいまのキスを頬にすると
「ん?どうしたんじゃ?」
眉間にシワを寄せ、見るからに不機嫌そうじゃな
「浮気したでしょ……?」
「はあ?」
また、突拍子もないことを言いよるのう
俺の腰に巻きついていた右手が離れ、開け放たれている俺の肌を指で押す
「ん?」
視線を落とすと
「凄いな……」
くっきりとついた紅い唇の形
「どこの誰と浮気したのよ!?」
上目遣いで睨むとは……
可愛いのう
思わず、笑みがこぼれてしまうじゃろ
「むう!何、笑ってんの!?そして!何故、頭を撫でるのよ!?」
ぷりぷり怒っちょるんだが、それもまた
可愛い
どんだけ、コイツに惚れとるんだ
「マサ……!誤魔化さないでよ!!」
「誤魔化しとらんよ?帰りの電車で付けられたんじゃろ」
「ジト~」
おっ
疑うとは……なかなかじゃ
「俺が、浮気すると思ってるんか?」
の鼻に俺の鼻をこすり合わせ、目を細め、見つめると
「うー……」
小さく唸り声をあげる
頬は、真っ赤に染まっていくし、視線はキョロキョロと泳ぎだす