第3章 童貞を卒業するっちゅう話や/忍足謙也 3/17更新
「ん~……」
ひよこ頭の男の目の前で、目を瞑りくちびるを突き出す彼女
そんな、彼女に対して、ひよこ頭の男は、関節が、壊れているんじゃないの?
と、思うくらいぎこちない
きっと、心の中では
『やってえぇんやろか』
葛藤しているんだろうな
噂には、聞いていたけど見事なへたれっぷり
手汗、尋常じゃないんだろうな。
さっきから、手の平をグッ、パーと繰り返してるもん
草陰に隠れて、その様子を覗き見している私たち
「あかんわ。アレ、何しとんねん。ほんま、へたれやで。謙也」
蔵りんが、つぶやく
「ダサすぎっすわ。」
携帯から、一瞬だけ視線を外す財前くん
「なあ、なあ。よう、見えへん。どいてんか?」
私の後ろで、ジャンプをする金ちゃん
「金ちゃんには、まだ早すぎたい。」
宥める千歳くん
そして、私は、ひよこ頭のへたれっぷりに、呆れてしまう