第20章 幸せな人生をありがとう/真田弦一郎4/4更新
中学3年新学期
「教科書を忘れただと!?貴様、学校に何をしに来ているつもりだ!?」
「ごめんなさい」
弦一郎に怒鳴られているのは、隣りの席に座るである
教科書を忘れてしまい、弦一郎に見せて欲しいと頼んだのだ
新学期が始まってまだ、2週間
行事等で時間割りが変更になったのをスッカリと忘れてしまったのである
自分の不注意のせいで教科書を忘れてしまった事に対して情けなくなったの瞳からは、大粒の涙がこぼれ落ちていく
「真田くん、女性を怒鳴ってはいけませんよ。泣いてるじゃないですか」
「うん?」
柳生に言われて初めてが泣いたコトに気付く弦一郎
「(……どうしたらいいんだ?女を泣かせてしまったとは)」
悩んだ挙げ句、弦一郎はポケットからハンカチを取り出しの目の前に差し出す
「泣くことはない。すまなかったな」
「ごめんなさい……」
「泣かれるとどうしていいのか……正直分からん……」
「うっ……ごめんさい……」
ハンカチで涙を拭うも、涙が止まらず。
幼子を泣かせている感覚に陥った弦一郎は、不器用にの頭にふれる
「たわけ!泣きやめ」
強めの口調ではあるが、弦一郎の優しさにふれたであった