第16章 壊れている世界/跡部景吾 3/31更新
「景吾……もう、終わりにしよう?」
泣いているのか?
の、頬を流れ落ちる涙
その涙を指で拭う
「そうだな……終わりにするか」
出口のない迷路から、脱出するコトが出来るのであれば……
「キスして……」
瞳を閉じ、俺からのキスを待つの唇に、重ねていく
最後のキスは、涙の味か
今まで、何度となく
キスを交わしてきたのに
こんなにも、切ないキスをするとはな
これで、解放されるのか?
俺もも
「景吾……また、逢おうね」
「ああ。また、逢おうな」
涙で濡れているが、精一杯の笑顔を作る
俺も、笑う
最後くらい、笑顔じゃないとな
「!?」
心臓に痛みが走り、息が吸えなくなる
一瞬にしてクリアーになる記憶
そうだ
狂っていたのは、オレ
が、好きすぎて
オレだけを見ていてほしくて
全てを奪った
イジメにあっているのを放置して
オレに頼るように仕向けた
他のヤツに、笑顔を見せないようにした
それでも、満足出来なくて
オレは、大事な仲間を傷つけていったんだ
「……」
最後に視たのは、歪んだ笑顔の
「さようなら、景吾……これでアナタは、ずっとアタシから離れられないよ」
愛おしく抱く景吾は
動かない……
Fin