第14章 You got drunk/跡部景吾 3/29更新
「お嬢ちゃん、遅いで」
いつものポーカーフェイスが、崩れているよ、忍足くん
メガネ、ズレちゃってるし
「俺、お嫁に行けないC~」
「大丈夫だって!!ジローは、男だから
嫁に行くわけじゃないだぜ!!」
「岳人、その慰め方……激ダサだぜ?」
部屋の隅では、膝を抱えて泣いている芥川くん
それを慰めているのは、向日くんで
隣りで激ダサ突っ込みをしている宍戸くん
景吾の足下には、服が乱れて倒れている日吉くんの姿
鳳くんは、散らばって割れたグラスを掃除している
「何があったか、聞きたい?」
腰をかがめて、私の顔を覗き込んでくる
忍足くんに苦笑いしながら
「聞きたくないかも」
「俺も話したないわ」
忍足くんと同時にため息が洩れる
んで、張本人である景吾は、未だに私の顔にキスをしている始末
「景吾、いい加減にしてよ」
私に張り付いている景吾の顔を両手で退かすと、手首を掴まれ
「なんだ?くちびるに欲しいのか?」
景吾独特な甘い囁き声に
思わず「うん」と言いそうになっちゃうじゃないのよ
ダメだよ
「ほらっ、帰ろう?」
「まだ、呑みたりねー」
「もう充分、呑んだでしょ?」
「何だ?2人っきりになりたいのか?」
耳元で囁くなー!!!
腰が抜けそうになるじゃんか!!
「はい、はい」
「んじゃ、帰るか」
私の腰を引き寄せ、歩きだす景吾
「じゃあな!!」
振り返るコトなく手を上げる景吾
ちゃんと、挨拶くらいしなさいよ
振り返り、みんなに軽く会釈をすると
忍足くんが
「頑張ってやぁ~」
笑いながら、手を振ってくれた
うん?
何を頑張るのかな?