第11章 恋人の約束
「あ、赤司くん!」
「…ん、ああ」
体育館をでて、赤司くんは
私をつれて中庭にきた。
「どうしたの?」
赤司くんは私に背を向けたまま
何も話さない。
やがて、咲いていた一本のバラを摘み、
私に差し出した。
赤いバラについていた露が
太陽に照らされて
きらきらと真珠のように
光っている。
「ありがとう、でもあの…赤司くん?」
「赤いバラの花言葉は " I love you. "
あの日から僕はずっと
お前の笑顔に救われていた。
おまえは僕の唯一無二の存在だ。
ずっと涼音のことが好きだった」
え!?
私は驚きと恥ずかしさで
どう反応したらいいのかわからなかった。
多分変な顔になっていると思う。