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愛情不足の幼馴染

第1章 幼馴染


「ちょっと!
なにすんの!」

『だって狭い狭い
うるさいんだもん。』

「だからってなんで!」

『好きだから。』

「え?」


抱きついた瞬間に
俺の中で何かが弾けて
ずっと隠してきた気持ちを
口にしてしまった。


『お前が好きだから。』

「宏光?
急にどうしたの?」

『なんでお前はいつも
他のとこへ行こうとするの?
ここでいいじゃん。
俺じゃダメなのか?』


葉月は黙ってしまった。


『俺さ、いつの間にか
葉月のことを
幼馴染としてじゃなくて
一人の女として見てたんだけど。』

「…気づかなかった。」

『葉月が他の男と
付き合うたびに
なんで俺じゃないんだろって
思ってた。
それでも毎回ここに
戻ってきてくれるから
それだけで十分かなとかも
思った。

だけど…
だけどやっぱり
好きなやつの辛い顔見るの
嫌なんだよ!』

「宏光…」


俺に背を向けたまま
葉月は泣き出した。


「まさか宏光が私のこと
そんなふうに思ってくれてたなんて
思いもしなかった。」

『お前、鈍感だもんな。笑』

「私もね、ほんとは
宏光のこと
大好きだったの。

でもこの関係壊したくなくて
ずっと言えなかった。」

『なぁ、ここにいろよ。』

「私なんの魅力もないよ?」

『は?お前の魅力なんて
山ほどあるっつーの!』

すると葉月は俺の方を向き
涙で潤んだ目で上目遣いをして
俺の名前を呼んだ。
その表情が可愛すぎて
強く強く抱きしめた。


『俺、やっぱりお前好きだわ。』

「宏光?
私宏光と幼馴染でよかった。」

『なんで?』

「だって普通に出会ってたら
見た目タイプじゃないから
好きになってなかったはずだもん!」

『えー、そういう事言う?!』


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