第2章 フジでちゅーさせて
フジ「真弓ちゃん~」
「もう、引っ付くな酔っ払い」
背後から抱きつかれ首元で息する彼は、酒癖が悪い。さっきからあちらこちらでこんな状態。本当にもう、うっしーだけにしてほしい。
牛沢「なに真弓、気に入られたんじゃない?」
向かいの席から同じく酒を含み、顔を赤くして卑しく笑う眼鏡野郎は言う。
「やだよ、勘弁してよ」
牛沢「あぁ、やっと開放されるなー」
フジ「………せて」
「え、なに?」
そしたら首にへばり付いたフジくんが、何やらぼそぼそと言い出す。
フジ「ちゅーさせて…」
「……は?」
そしたら力一杯後ろに引かれて、気付けばフジくんは私の上にいる。私はといえば、仰向けに寝かされている。
フジ「…ちゅーしてもい?」
「ダメwてかガヤ撮ってないで助けろww」
でもフジくんの顔はどんどん下がってくるし。
「ダメダメダメww」
必死で彼の顔を抑えるけど、重力には勝てない。
牛沢「ちょっ、本当にやりすぎだってw」
そしたらうっしーが止めに入った。
フジ「うるせぇな!だまってろ!!!」
とか、えらい巻き舌でわけ分からんことほざくな。
「うっしー助けて」
牛沢「はいはいw」
私は手を伸ばして助けを求める。
フジ「てめぇには渡さねぇ」
でも酔っ払いは私に覆い被さって、終いには頭を抱き締められる。と、同時にうるさくなるガヤ共。
牛沢「もー、どうしろってんだよ」
「…引っペがしていいから」
だけど小声で聞こえた言葉に、不覚にもキュンとしてしまって。
フジ「…真弓ちゃん、大好き」
「!!!」
そのまま寝ちゃったフジくんは、一向に離してくれる様子も無く帰るまで私はそのままだった。
フジ「ごめん、全然覚えてないや」
その三日後くらいに会った彼からこんなこと言われたら、そりゃ一発、いや百発は殴らんとダメでしょ((にこっ