第13章 形勢逆転?w @ 及川徹
『及川さ…んぅ…痛い…』
「ほんと生意気だよね。いちいち口答えするなんてさ。」
『だからそれは誤解だって…言ってるじゃ…きゃっ…』
無音の部屋に乾いた音が響く。
何度も殴られた頰は紅く染まっており、じわじわと痛みを帯びている。
口元が切れ、口内に血の味が広がる。
「口答えするなって言ってるでしょ?わからないの?」
『うっ…ごめん…なさ…い…』
髪の根元を掴まれ、上を向かせられる。
見つめ合った瞳には光を帯びていない。
花はただ、及川の指示に従うしかなかった。
「花って綺麗な顔してるよね。だからかな、ぐっちゃぐちゃにしたくなる。」
『…及川さんは、わたしが嫌いですか…?』
「そんなわけないじゃん。愛してるよ?でも…」
及川の顔から笑みが消える。
「努力しないで出来ちゃうところは大っ嫌い。」