第7章 やみき @ 及川徹
「花ちゃん!おーはーよ!」
イライラの絶頂を迎えていた花は、無視を貫き通す。
「そのー…朝、ごめんね?怒ってるよね。」
花は少し泣きそうになるのを堪えて、顔を見たいのを堪えて、及川と逆の方向を向いて無視を続けた。
「…今日、部活終わるの、待っててくれる?」
及川が足りなくて、ついうっかりうなづいてしまう。
そうすると及川の声色が一気に変わり、ガサゴソと物音が聞こえた。
「じゃあ、帰り下駄箱で待ってて!一緒に帰ろ!」
じゃあまたね〜と手を振りながら(友達から聞いた)及川は教室を去っていった。