第5章 夢中になれるコト @ 孤爪研磨
よりによって最悪だ。
部活の朝練が終わった後、仮眠をとろうと思っていたのに、なんだか虫の居所が悪い今日に限って日直だ。
研磨は重い足取りで資料室に向かう。
するとドアは開いていて、奥からがさがさと物音がした。
物音がする方を辿ると、見覚えのある後ろ姿が目に入った。
小さな体なのに身の丈に合わない高さの棚に腕を伸ばしている。
「…呼んでくれれば行ったのに。」
『あ、孤爪くん、おはよう。いつも朝練の後寝てるから、なんか悪いかなって。』
その人物は研磨が想像してた人本人だった。