第5章 第二章
「中学一年生、5/25日、飛鳥SIDE」
「チッ!お前なんなんだよ!!」
夜9時の人通りがない夜道で響いた男の大きな声。
「・・・なんなんだよって聞かれてもこっちが困る」
「お前なんか、ぶっ倒してやる!」
男はさっき以上に声を荒げて殴りかかってきた。
「・・・」
私は無言で殴られた。
体制を崩しそうになったが、なんとか持ちこたえるとクスリと笑いながら相手に殴り返した。
男は殴られて口のはしから血を流しながら立ち上がった。
「お前、おかしんだよ」
「どこが?」
「右目の色が時と場合によって変わる。
殴られても痛そうにしない。
むしろ笑っている。
そーゆーとこがイライラすんだよ!!」
「そうかもしれないね」
「だから今日は、お前が俺たちに謝るまで殴り倒してやる」
男の目は怒りに満ちていた。
「俺たち?」
「今日は、一人じゃねんだよ。
さすがに10人を相手にしたら無理だろ?」
男はそう言うとニヤリと笑った。
それと同時にどこからか、ぞろぞろ人が出てきた。
髪の毛を明るく染めているやつ。
いたるところにピアスをしてるやつ。
棒やバットを持っているやつ。
「・・・そんなのやってみなきゃわかんないじゃん?」
私が、意味ありげにニヤリと笑うと男たちは一斉にかかってきた。
私は、あまり、殴られないように男たちをよけて殴り倒して行った。
男たちよりもだいぶん低い身長を上手に使い、殴っていった。
殴り合いをし始めて一時間ほどたつ時には男たちはその場に倒れていた。
途中で逃げ出すやつもいた。
「私の勝ちだね」
私は、クスリと笑うと男たちの前から去って行った。