第2章 木槿の花『信念』
「にしてもきれいだな、この花。あ、そういえば琴葉ちゃんは花に詳しくなかったか?」
「そういえば毎日、花ばっかり見てたよな。」
「うん。きれいなものを見ると癒されるから。この花は、木槿(むくげ)。花言葉は信念。」
「初めて聞く名前だな。」
「信念か…。なんか俺達みたいだな。」
どうしてここに?さっき新八さんは飾ってたっけと言った。ということは誰かが飾ったということ。だけど新八さんは今までここにいたし、左之さんだって私と話してた。台所を離れてることなんてないのに、なんで新八さんはわからなかったんだろう…。
「うぉっ!琴葉、なんでここにいんだよ。」
「平助くん!改めて久しぶり。」
「なんで男装なんか…。」
「女の子の姿だったら不逞浪士が来たら対処できないと思って。京の都には不逞浪士が多いらしいからね。」
「そのせいで全然気付かなかったぜ。」
「見てわかんだろ、平助。仕草だって女そのものじゃねぇか。」