第1章 27日目
「うん、そうだね」
はい、そういうことにして下さい。じゃないと俺、カッコ悪い。
「言っときますけど。この先は手出したら
住久くんでも許しませんよ」
「また弱気になればすぐにでも」
「…ふふ、んなもんとっくに捨てたよ」
「じゃあ、大丈夫です」
「私が女子だったら住久くん好きに」
「ボーイズラブは求めてないんで」
「あ、そう?残念」
どこか余裕のある表情を浮かべて少しだけ笑う彼、やっぱり年上なんだと感じさせる。童顔とのこのギャップ、それが何か危険な匂いを伺わせて。
自分が男で良かったと、この人に惚れないで良かったと、安心するなんて。それ事態おかしなことだ。
色々考えてしまった俺に「何見てんのよ」と笑う彼。
なんだろう、
この人と出逢えて良かった、そう思っている俺は本当にそっちの気があるのだろうか。
『 プロローグ 二宮くんと住久くん 』END.