第2章 28日目
その言葉が何を意味するのか、単細胞な私には難しくて。でもそれは決していい意味ではないことくらいすぐにわかった。
無駄な時間、だなんて。
私にとってはこうして2人で床に座る時間も、意味のわからない会話してる時間も、彼の言葉の意味を探る時間も全部、全部全部全部、大切な時間、なのに。
急に寂しくなって下を向いてしまった。
こんなこと言われて気丈に振る舞えるほど私は強くはないし、大人でもないし、いい女でもない。
「………」
「…わかる?無駄なの」
「…無駄、じゃ、ないもん」
「…無駄だよ」
「………、」
なんでそんなこと言うのか、わからない。
なんでそんなに意地悪なのか、わからない。
そう、言いたい言葉をグッと堪えて、呑み込んだ。今、口を開けば私は違う何かも一緒に溢れてしまうから。せっかく彼がしてくれたメイクも台無しになってしまう。
そんなの嫌だ。