第19章 烏野一家の日常 [澤村×菅原]
その日の夕方
「ふぅ・・じゃあ、帰るか。」
大地は仕事を終え、帰宅の準備をした。
「澤村課長!!」
と、呼ばれた。
「おっ?道宮くん。どうした?」
それは、大地の部下である道宮結だった。
「あっ・・あの・・課長・・・こ・・・今夜・・・お時間ありますか?」
「えっ?いや・・悪い今夜は・・」
「1時間だけでいいんです!!お願いします!!」
と、全く下がらない道宮。
部下思いの大地は、それ以上断るのは悪いと思い1時間だけという口実で付き合うことにした。
そもそも、今夜何があるかも分かっていなかった大地。
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「おい、道宮。1時間だけって・・・」
すでに2時間は経っていた。
時間はすでに6:30
ずっと、彼女の買い物に付き合っていた
そろそろ、帰らなければマズイ。
と、ケータイを見た。
そこには、スガからの着信が入っていた。
(やばいな・・・)
「おい、道宮。そろそろ・・・」
「課長!!」
と、歩いていた道宮は突然立ち止まり、大地を見た。
「私、課長が好きです。」
と、彼女は顔を赤くして言った。
「えっ・・・、だって俺には・・・」
「奥様がいるのは知っています!!それでも・・・私は・・・」
と、道宮は大地に抱き着いた。
「ちょ・・道宮!!」
「私・・・私・・・・。」
と、ギュウっと力を入れて離れない道宮。
「道宮・・・俺は・・・!!」
「だい・・・・ち・・・・?」
大地と道宮は、声のする方を見た。
そこには、ケーキの箱を持って佇んでいるスガだった。
「す・・・スガ・・・。」
スガは、今にも泣きそうな顔をしながら走って去って行った。
「あっ・・・スガ!!」
「課長!!」
それでも離れない道宮。
大地は、さすがに道宮を引き離し言い放った。
「道宮、お前は大切な部下だ。だが、それ以上に俺は嫁であるスガを愛しているんだ!!」
と、言い家に走って帰った。