第20章 人形
横山、村上、丸山は、扉から続く道を
延々と歩いていた。
その道は暗く、周りの景色さえ見えなかった。
その様子は、
今から起こるはずの何かへの恐怖を
増強させていた。
村上「この道、どこまで続いてるんや?」
村上は、少し疲れた感じで言った。
丸山は静かに首を振った。
先に歩いている横山は、
足を止める事なく進み続けていた。
丸山「何か嫌な予感する..」
丸山は、小さく呟いた。
その言葉に反応し、横山は足を止めふり返った。
横山「お前の過去に何があったかまでは、知らん。
だが、これを乗り越えられるのは、お前だけやで」
丸山は小さく頷いた。
村上が、静かに丸山の肩を抱いた。
村上「お前は一人じゃない。」
その言葉を聞くと、丸山は少しだけ微笑んだ。
横山「ほんなら、行くぞ」
そう言うと、また歩みを進めた。
村上と丸山は、静かに後ろをついて歩き始めた。
それから、しばらく歩くと
暗い景色に、小さい光が浮かんできた。
光の先に小さな部屋が見えた。
村上「部屋…みたいやな」
その部屋に入ると、辺りを見渡しながら言った。
横山は、
その部屋に無造作に置かれている人形に目をやった。
丸山「人形がたくさんあるね...」
丸山も、人形に目をやりながら横山の横に立った。
横山は人形の一つを手に取り、小さく微笑んだ。
横山「犯人がわかったで」