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箱庭【夢小説の庭】

第4章 【短編】恋愛初心者




「………………?」


あれ?何も来ない。不思議に思ってチラリと顔を上げると、心なしか切なそうな表情をした兵長がいた。

見たこともない表情に戸惑い、どうしたんですかと聞くと、掠れた声で返事が返ってきた。


「…俺は、緊張している。」
「…え?」
「ドキドキとやらもするし、目が合うだけで…嬉しいと感じる。」
「……え?え?」
「ロゼ。お前が俺を見てくれるとそうなるんだ。」


この意味が分かるか?と尋ねる兵長に頭が真っ白になる。だって、それってつまり。


『自分の好きな人に自分を見てもらえるっていうのは…』


私は兵長の好きな人ってこと…?


「…あ、の…兵長の仰る意味は分かりました。」
「…そうか。」
「でも、あの…ごめんなさい。」
「……」
「私、そういうのよく分からなくて……きゃ、!」


突如力強い腕に抱き込まれた。当然その腕は兵長のもので。身体にダイレクトに兵長のドキドキが伝わってきて、こちらも伝染するようにドキドキし始める。

どうしたらいいのか分からなくてわたわたと手をさ迷わせていると、彼は優しくその手を掴んで自らの背へと誘導した。兵長の背中は広くて温かい。


「…へ、ちょ…?」
「悪いが、俺は諦めるつもりはねぇ。」
「…え?」
「ロゼが好きだ。」
「ぁ、え、と…」
「今は答えなくていい…だが、いつかきっと俺を好きだと言わせてみせる。」


俺が恋愛を教えてやるよ。


腕の中から見上げた彼の顔は、とてもとてもかっこよくて。思わず頷いてしまった。

…ペトラのいうことが今なら分かりそう…と思っている時点で、何かが始まっていることに、私はまだ気が付かない。

これが恋だと分かるのは、まだもう少し先…




*恋愛初心者*

(業務でない限り、これからは名前で呼べ。)
(え!…え、と…り、リヴァイ、さん…)
(……)
(…リヴァイさん…?)

((…ああ…啼かせてぇ…))


End...?→→
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