第4章 【短編】恋愛初心者
自分の好きな人に自分を見てもらえるっていうのは、一体どんな感覚なのだろう。友人が言うにはそれは恋というもので、ドキドキが止まらない!だとかすごく嬉しいとかそんな感じだという(かなり省略)。話せるとなお良いんだとか。そんなんじゃ、触られた時には爆発でもするんじゃないだろうか。
「…何その"わけ分かりません"みたいな顔は。」
「え、分かりますか?」
「ちょっと。いきなり質問してきてその反応はないでしょ。」
「ごめんなさいペトラさん。でも本当に分からないんです。」
友人のペトラさんは"何この子可哀想"的な視線を私に向けて溜息をついた。が、すぐに笑顔になって"ロゼにもきっとすぐ分かるようになるよ。"と言い残し、そのまま私の部屋を去っていった。
やけに確信したような言い様に首を傾げてぼんやりしていると、兵長が入ってきた。
…え、兵長?なんで兵長?
「おはようございます、リヴァイ兵長。どうかなさいましたか?」
「……」
「…リヴァイ兵長?」
彼は入ってくるなり、扉の鍵をガチャと閉めてゆっくり私に近付いてくる。あれ、もしかして私、死亡フラグたってるのかな。何か気に入らないことでもしてしまっただろうか。
じわじわと縮んでいく兵長との距離に焦りが煽られる。逃げたいが、彼の猛獣のような視線に身体が全く動かない。え、うそ、絶体絶命。
「…おい。」
「は、い。」
「何か感じるか。」
「…え?えと、」
「さっさと答えろ。」
「…こ、恐いです。」
「……」
「……」
あ、これ完全にアウトだ。もうダメだ。私やらかした。
サッと視線をそらして俯いて、心の中でどうしようと呟き続ける。が、当然パニクっていて答えは見つからず。とうとう兵長がすぐ前まで来てしまった。
ああ、さようなら我が人生。