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箱庭【夢小説の庭】

第1章 【短編】鈍感なのは誰?


人類最強の兵士として有名なリヴァイ兵士長。彼の潔癖症の凄さは言わずもがな、みんなが知っている。当然私も知っているわけで。

だから、この状況が異様すぎるのはよく理解していた。


「………兵長?」
「なんだ。」
「この手はいったいなんでしょうか…?」
「あ?お前は右利きだろう。問題あるか?」
「ひっ!い、いえ!ありません!」(大有りですけど!)


食事をする私の左傍らには、あの有名な兵長が。例えるなら、でーん!という感じで堂々と隣に座っている。超ピッタリと椅子をくっつけて。そして不思議なことに、これまた堂々と私の左手を握っている。

そう、私の左手を握っているのだ。(大事な事なので2回)

挨拶くらいはするものの、話したことは全くない。ただの上司と部下の関係…いや、それ以下と言っていいほどの薄い繋がりのはずなのに。接点がなさ過ぎることがこの状況のおかしさに拍車をかける。ていうか潔癖症どこ行ったの!?

本当、一体全体何が起きているんだ。理由を問えば痛すぎるくらい睨みつけてくるから、疑問を解消することがないままその話題は終わってしまう。それどころかやんわりと握っている手の親指で私の手の甲を優しく撫で回してくるのだから、状況が悪化しているといえる。

擽ったいような感覚に思わず身体がビクビクしてしまう。それを見ている兵長は微かに笑って「感じているのか。」とその指を止めない。兵長のレアな笑顔によって一瞬思考が停止したものの、「や、やめてください!」と半泣きになりながら訴えた。頬も何故か熱い…こんな情けない顔、誰にも見せたくないの、に……………

はっ!!

そうだ、ここは食堂だった。当然私と兵長以外にも人がいるわけで、みんな先ほどから目を皿のようにしてこちらを見ている。

は…恥ずかしすぎる!!
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