第2章 君の隣
眉をしかめて考え込んでいたら、
突然目の前でパンッと音が鳴った。
「うきゃっ!?」
ラビが手を叩いたのだ。
「ぶっ、うきゃってなんさ?
そんな考え込んでちゃだめさー、
シワになっちまうぞ」
吹き出したラビが、優しく笑う。
― 励まして...くれた?
こういう時は本当にカッコいい。
とか言ったら調子に乗るから、お礼を言うに止めた。
「ありがと、ラビ。元気出た」
「どういたしましてさ」
「今日、任務?」
「ん」
短く答えるラビに、私は笑いかけた。
「気を付けてね、頑張って」
「ありがと、リラン。
そう言ってくれるとオレちょーやる気出るさ」
「帰ってきたらキスしてあげる」
言ってみる。
すると、ラビは目を丸くして私を見た。
と思うと顔を手で覆って後ろを向いてしまった。
「なんなんさ...突然こんな積極的になるとか、
マジ心臓にわりぃ.....」
「ラビ?何か言ってる?」
ボソボソ喋るから聞き返すと、
ガバッと抱き付かれた。
「絶対帰って来るから。待っててくれる?」
「当たり前でしょ、ずっと待ってる。
ラビの居場所は私の隣だからね」
「あ"~~~もう可愛い~~~!!」
「バカップル」とかいうアレンの声が聞こえ、
食堂に笑いが弾けた。
― ずっとずっと、私の居場所は
ラビの隣だからね.......。
くすぐったい言葉は、胸の裡でそっと囁いた。
fin.