第2章 大広間
意味が分からない。
「赤飯は小豆!これはゆずんねぇ!」
なおさら意味わかんない。
「甘納豆も美味しいですよ~食べてみればわかりますって。」
相模さんが呆れ顔だった。何年も見てると少しでも顔が変化したのがわかってくるようになる。
「姫君、気にしないでください。赤飯が出るといつもこの言い争いが始まるんです。最後は桃が折れますが。」
目玉焼きに何をかけるか問題と似ている。ちなみに実沙緒はソース、匡とあやめさんは醤油、相模さんと伯耆君は塩胡椒、桃は気分によって変える派らしい。
「お久しぶりです、姫」
びっくりした。後ろに豊前さんがいた。
「豊前さん!」
豊前さんは相変わらずチャラい。
「もう豊前じゃなくて丈ですけどね。」
剛さんにも似たようなことを言われた。
「桃とご当主なにやってるんですか?」
「お赤飯には小豆か甘納豆かでけんかしているみたいです。両方あるのに…。」
二人がこっちを向いた。
「赤飯は小豆派の奴手ぇあげろ!」
誰一人手をあげない。
「甘納豆派の人!」
また誰もあげない。
「どうでもいい人~」
皆手をあげた。
「っておやじ!」
そこに居たのはお義父さんだった。