第1章 天狗の郷
今日は桃と悠が帰ってくる日だ。
「こんちはー!」
「あ!前鬼さん!」
前鬼さんは颯ちゃんが生まれてすぐ、八大をやめて庇翼院の住職になるための修行をしている。
「もう前鬼やのうてただの剛や」
「なんだサル、来たのか。修行じゃなかったのかぁ?さぼりか?あ?」
あぁ逃げよう。匡と剛さんのけんかが始まる。
「ちゃうわ!今日は住職と子供達も来とんねん。桃も悠ようも好かれとるなぁ。」
剛さんの後ろに子供達がいた。
「ひめさまこんにちは!」
足が悪くなってから庇翼院には行ってない。どうりで祥さんの時の子がこんなに大きくなっているわけだ。
「皆久しぶりー!大きくなったねー」
「姫さん足、もう歩けるようになったんか」
「まだ支えるものがないとだめだけど…」