第4章 確信
「人狼だ。」
「人狼......」
「あぁ。お前は、人狼を信じるのか?」
「だってよ......俺見たんだ、一昨日の夜......」
「一昨日の夜、その日は満月の日だな......。」
「あぁ......綺麗な月、だった。」
「......その時に、見たのか?」
「最初は、疲れからきた幻覚かと思った......
でも、今までユリに起きた不可解な出来事もあったんだ......。」
「幻じゃ、なかったんだな......」
「あぁ。俺があの時に見た...大きい耳としっぽ、あの紅い瞳は......
全部、幻じゃない......
ホンモノだったんだ......」
そう、あのユリは紛れもなく......
幻覚じゃなかったんだ......。
ユリ、何でお前は......
俺の目の前に現れたんだ?
お前の本当の"パパ"は......他にいるのか?
俺じゃない、
俺以外の、
誰かが......。