第3章 異変
「ユリ!」
「......?」
「ピーマン食べないと動物園には連れて行かないぞ?」
「......!?」
ユリは顔に出してないが、
明らかにショックを受けていた。
「それに今日のお昼はユリの大好物の苺も
持っていこうと思ったんだけどな......」
「苺......なの?」
「っそ!でもしょうがねぇな......
ユリはピーマン食べないっていうし、
そんな我儘な子は動物園に連れて行かな~い。」
「......。」
「......食べれば動物園にも連れて行くし、
苺も倍で持っていってやるぞ!」
「......。」
ユリ、頭の中で格闘中...
それから1分くらい経ち...
「......食べる、なの......。」
ユリはフォークを手に取り、ピーマンを口に運ぶ。
モグモグモグ...
「......。」
眉間にしわを寄せながら食べるユリ。
「よしよし!あと少し食べれば動物園に行けるぞ!」
モグモグ...ゴックン...
「......苦い、なの。」
ピーマンを飲み込んだユリはまだ
眉間にしわを寄せていた(苦笑)
苦いと言いつつも他のピーマンも口に運ぶユリ。
(余程苺が好きなんだな......(苦笑))
ゴックン...
「全部食べた、なの......。」
なでなで...
「えらいえらい!」
俺は頑張ってピーマンを食べたユリを撫でた。
「......これで行ける、なの?」
「あぁ、これで行けるぞ!」
「やった、なの......。」
少し頬を染めながら言うユリ。
「......(微笑)
じゃあ残りの野菜もちゃんと食べろよ?」
「わかった、なの。」
ユリは再び朝食を食べ始めるのだった。
(にしても、ユリにも苦手な食べ物があるなんて、
びっくりだわ......(苦笑))
俺もそんな事を思いながら箸を進めるのだった。