第19章 別れ
__季節は巡り廻る......
春の桜は鮮やか咲き誇り、散る......。
夏の蛍は短い時を輝き続け、死んでいく......。
秋には緑の葉が死に、枯葉になるものもあれば、
紅葉のように美しく咲き誇る......。
冬には全ての植物が枯れ果て、春に備えて眠りにつく......。
季節......
生きては死んで、生きて死んで......
生死を繰り返し次の時代に生命を繋げ続ける......。
それは人も同じ......
春夏秋冬季節のように、短い時間を生き続け死を迎え......
祖父母から父母、父母から子供へ命を繋ぐことを続ける。
またその子供から新たな命を授かり、次の世代へと続いていく......
出会いと別れを繰り返し、命を繋いでいく......。
もし大切な人と離れ離れになっても、それは永遠のさようならとは限らない。
人間も、動物も、植物も......次の時代に生命を繋ぎ続けその時代を生き続ける。
もしかすると、人間と狼の子孫が何十年、何百年、何千年後に......
出会うかも知れない......。
だから、
別れは永遠の別れではないのだ__