第15章 最終決戦
「父上......」
「ぇ......」
「っあ......ぁ......」
凛太郎は顔をこわばらせ後ずさりしていた。
そして白狼と思われる狼は一気にタワーから飛び降り華麗に着地、
ユリ達のもとへゆっくりと歩いてきた。
「......。」
「ユリ...父上って......ユリ?」
ユリは宏光の問には答えず、じっと白狼の姿一点に見ていた。
そしてユリの父親と思われる白狼はすぐ目の前までにやってきた。
「っ......なぜ、こんなとこ、ろに.....貴方は、
北海道に......ぃ、いる......」
震えが止まらない凛太郎はさっきとは一転、おびえていた。
「......リン、」
白狼は凛太郎のところまで歩き、『リン』と呟いた。
その声は威厳溢れる声帯で、狼族の王に相応しい声の持ち主だった。
「っ...ぁ....ぁ......」
「この、
愚か者が......」
__カッ!
「っ......!」
白狼は凛太郎の目を見て、一気に目を開いた。
すると......
__バタッ...
「......。」
まるで眠りにつくかのようにその場にばたりと倒れた......。
「......ユリ、」
「父上......」
白狼は後ろを振り返りユリの方へ身体を向けた。
そして見つめ合っていた......。