第11章 新たなる魔の手...
翔side
ユリが『会いたい。』といった人、明らかにアイツ等のことだった。
やはり記憶をとっているとはいえ完全に消したわけではない......。
半研究組織の件もある......どのみち、今ユリを地上へ出すことはできない。
「いいから戻りなさい!」
俺がユリ達に声を荒らげたことはほとんどない、
その為ふたりは身体を震え上がらせていた。
「っユリ......一旦戻ろう?」
「......わかったの......」
二人は手を繋いで部屋に戻っていった。
っ......俺としたことが......。
翔は二人が出ていった後頭を抱えるのだった。
宏光side
ほぼきっかりにお盆を取りに来た研究員、それと同時に布団まで運ばれてきた。
「今晩は冷えるらしい、布団を持ってきた。」
「ありがたいけど......こんなのありなの?(苦笑)」←
「囚人じゃあるまいし、これくらいはな。」
「まぁ、何はともあれ......ありがとうございます。」
確かにここに来た時よりだいぶ冷えてきた。
「では我々はこれで失礼します。」
「あ、はい......っあ、あの!」
「なんですか?さすがにここから出せという要望にはお答えできませんが。」
「そういうことじゃなくて......さっき言っていた重大なことって何なんですか?
ユリが、関係してるんですか?」
「......先程もおっしゃったように我々の口からは言えません。
ですが、ユリ様は少なからず関与しています。
その為所長もだいぶ警戒していますから......」
「おい、神楽!これ以上は......」
「わかっていますよ。では......」
神楽は軽くお辞儀をし上に上がっていった。
「ユリが関与しているって......」
(一体どういうことだよ......)
「北山......」
「んぁ?藤ヶ谷、急にどうしたんだよ......」